2019年6月 ピロリ菌
連休明けの水曜日に胃カメラの検査を受けました。江南で開業している大学の同級生にやってもらいました。もちろん鼻からです。彼の腕がいいのか、患者の私が優秀なのか(笑)、とってもスムースに出来ました。検査するのが旧知の仲の親友で、患者である私も胃カメラの手順を熟知しているので、緊張感のかけらもなく、極めてリラックスした状態で検査を受けられました。多分、患者さんたちはこんな訳にはいかないのだろうな、と思いました。
萎縮性胃炎
「じゃ、行くね」
彼の言葉とともにカメラは鼻の中に入りました。すぐに食道に入りました。食道は極めて綺麗で全く問題ありません。そしてほどなく胃に入りました。
「あれ?」
ほぼ二人同時に声を上げました。胃の粘膜が凸凹しているのです。いわゆる萎縮性胃炎です。実は13年前に自分で検査した事がありました。鼻からのカメラを始めるときで、本当に鼻は痛くないのか、本当に口からよりも楽なのか、と確認するためでした。その時は胃の粘膜はツルツル、ピカピカでとても若々しいものでした。それに比べて今目の前にある粘膜は、若さのかけらもない、くたびれた粘膜でした。ショックでしたねえ、これは(笑)。
ピロリ菌
ピロリ菌がいるかどうかは大抵は胃カメラで診ただけで分かります。色々なパターンがあるのですが、私の胃のような所見もその一つです。
一般的に行われるピロリ菌の検査には以下の2つがあります。
- 内視鏡下迅速ウレアーゼ試験
- 尿素呼気試験
1. は胃カメラを行った際に、胃の粘膜を採取した標本を、専用の溶液に浸すことで判定します。ピロリ菌がいると黄色い液が赤色に変わります。保険適用です。
2. は風船のような物を膨らませる検査です。検査用の薬を飲む前と飲んだ後の数値を比べることで判定します。胃カメラの検査と併用すれば保険適用ですが、単独では適用外です。
今回私がしてもらったのは1. の内視鏡下迅速ウレアーゼ試験ですが、一瞬で赤色に変わりました。ピロリ菌陽性、ピロリ菌がいるという判定でした。
ピロリ菌は胃に棲みつく菌で、10年前くらいは50歳以上の日本人の8割以上がピロリ菌を持っていると言われていました。主に井戸水に棲んでいると言われ、井戸水を飲む習慣がある人たちに多いようです。今でも東南アジア諸国はピロリ菌保菌者が多数います。
ピロリ菌の治療
1回5錠の薬を1日2回、1週間飲みます。これで大抵は退治できます。ピロリ菌のせいで潰瘍ができたり、胃の調子が悪くなることが多くなります。またピロリ菌がいない場合よりも胃癌になる確率が高くなります。
当院でも胃カメラ、ピロリ菌の検査ができます。リラックスした状態で受ければ楽に出来ます。まだ検査していない人は是非、ご相談ください。
つばさクリニック院長 石川 亨