糖尿病について
糖尿病の診断
糖尿病の診断は、別々の日に検査した血糖、75gOGTT(経口ブドウ糖負荷試験)のいずれか以下の糖尿病診断基準に合致した場合、糖尿病と診断します。
- 空腹時血糖 126mg/dL以上
- 75goGTT 2時間値 200mg/dL以上
- 随時血糖(絶食していない状態での血糖) 200mg/dL以上
1回のみの場合は、糖尿病型といいます。
ただし、空腹時血糖が126mg/dL以上で、なおかつヘモグロビンA1C6.5%以上の場合は1回の検査で糖尿病と診断できます。
健康診断だけで糖尿病は診断できるの?
通常の健康診断では血糖とヘモグロビンA1Cしか測定しません。
この2つが正常ならば糖尿病ではありません。しかし安心はできません。
糖尿病の予備軍になっているかどうかまではわからないのです。
食後高血糖
血糖とヘモグロビンA1Cの両者が正常でも食後の血糖が非常に高い人も多いのです。これらの人は予備軍と言えます。
そして、この食後の高血糖が実はいろいろとからだに悪い影響を及ぼしていることが分かってきました。
空腹時の血糖値が120、食後2時間の血糖値が160という人よりも空腹時の血糖値が100、食後2時間の血糖値が180という人の方が危ないのです。
そして、後者の人たちは今までの健康診断では見逃されて来た可能性が高いのです。
生活習慣に問題のある人、肥満傾向の人は数年以内に糖尿病になる確率が高いのです。
糖尿病と脳卒中の関係
脳卒中というのは脳の血管が破れたり(脳出血)つまったり(脳梗塞)して、脳の機能が障害を受けるために、手足のしびれや麻痺、言語障害、意識障害を起こす病気で、日本人の死因の第3位です。
糖尿病は血糖値が高くなり、その結果血管が傷む病気です。
脳卒中と糖尿病。一見何も関係ないように思われるかもしれませんが、糖尿病の人の血管はもろくなっているために破れやすいのです。
また、コレステロールがたまり血管を狭くしている場合が多く、血管がつまって脳梗塞になりやすいのです。
実際、糖尿病の人では、糖尿病ではない人と比べ、脳梗塞の発症率は2~3倍高くなります。
糖尿病食は健康食
糖尿病の治療は食事療法、運動療法、薬物療法が3本柱です。
そのうちの食事療法について述べます。
世間では糖尿病食はまずい、少ない、味気ないといったイメージが強いようです。
そして限られたものしか食べられないと思われている人が多いようです。
しかし、それは大間違いなのです。量の制限はありますが、食べられないものはなく何でも食べられます。
味もごく普通の味で工夫すれば非常においしい料理が食べられます。
そのうえ、栄養のバランスがとれているので、ダイエットにもなるし便秘の解消にもつながります。
糖尿病は治療食ではなく健康食といわれるゆえんです。
ご家族のうちの誰かが糖尿病と言われたら、家族全員で糖尿病食を食べられることをお勧めします。