ゴー!医見

つばさクリニックでは毎月院内広報誌「ゴー!つばさ」内の院長のエッセイです

111月17日、いきいき広場で第8回高浜安立荘市民公開セミナーが開催されました。講師は安城更生病院緩和ケア病棟の李振雨先生、テーマは「グリーフケアとスピリチュアルケア」です。

緩和ケア

がんの終末期の患者さんの苦痛を和らげるケアのことを緩和ケアといいます。緩和ケア病棟というのはそれを専門に行う病棟で、ホスピスと同じと思ってもらえばよいです。6月15日現在の届け出数は、全国に403施設、8,197ベッドです。安城更生病院の緩和ケア病棟は平成14年の病院新築移転と同時に、三河地区初の施設として開設されました。
当院では平成28年10月より、同緩和ケア病棟でアニマルセラピーを行っており、そのご縁で李先生にご講演をしていただけることになったのです。

グリーフケア

家族や肉親等、大切な人が亡くなることを予期した時、あるいは亡くなった後、残された者が抱く悲しみに対するケアのことをグリーフケアと言います。
安城更生病院緩和ケア病棟では患者さんが亡くなった時には、お迎えの車に乗る前に「お別れの会」というのを開いています。そこで、医師や看護師さんたちが患者さんとの想い出等を語るのです。素晴らしいですよね。家族は随分救われると思います。さらに、亡くなってから1年から1年半後に家族に連絡をして「家族会」を開いています。ありがたいですよね。
音楽会、アニマルセラピー等のイベントも頻回に行われていますが、何よりも素晴らしいのは、献身的にケアをしているスタッフの皆さんです。ボランティアの人も多数活動されています。私も月に1度犬たちと一緒に訪れるのですが、毎回頭が下がる思いです。
麻薬で痛みを和らげるのはもちろん大切ですが、それとともに、患者さんや家族にいい想い出を一杯作ってもらうのも立派な緩和ケアであり、グリーフケアだと思います。患者さんが亡くなった後で、それらを思い出してもらうことで、家族の辛い思いが軽減されると思います。

スピリチュアルケア

以前は霊的ケアと訳され、宗教的な要素を持ったケアと考えられていました。死後の世界はあるのか、あるとしたらどんなところか、という問いに答える必要があり、お坊さんや牧師さんに委ねる、という考え方が主流でした。しかし、現代では宗教的な要素は必ずしも必要ない、という考え方が広まっており、李先生も同じ考えのもとに、2つのことを説明されています。

1. 心の中で生き続けていく
患者さんが亡くなっても、その教えや想い出、魂は家族の心の中に生き続けていく、ということです。緩和ケア病棟に入院していたおじいちゃんのために、音楽会でピアノの演奏をしたお孫さんのお話をして下さいました。お孫さんがスタッフに書いた手紙も紹介してくださいました。おじいちゃんは間違いなくお孫さんの心の中で生き続けているのです。

2. 命は引き継がれていく
個々の肉体は滅びても、DNAによって命は子孫に引き継がれていきます。おじいちゃんのDNAもお孫さんに引き継がれているのです。

スタッフは第3の患者である

質疑応答の中で、李先生が言われた言葉です。日夜患者さんに寄り添って仕事をしているスタッフには多大なストレスがかかっており、それを理解して支えてあげないといけない、と言う意味です。先生のお人柄がにじみ出た言葉だと思います。どうもありがとうございました。

つばさクリニック院長 石川 亨


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