2018年7月 究極の食事
私は日頃から「やせる魔法はありません」「これさえ食べれば大丈夫!」というものはありません、と言っています。しかし、今回は特別です。とっておきの情報を教えちゃいます。
地中海食
「日本食はからだに良い」と言われていまが、それを証明するデータはありません。一方、数多くの証拠が認められているのが地中海食です。地中海食というのはスペイン、イタリア等の地中海沿岸諸国の料理のことで、その中心となるのがオリーブオイル、ナッツ類、魚です。
2013年に世界で最も権威のある医学雑誌のひとつである「ニューイングランドジャーナル」に地中海食の検証をした結果が発表されました。それによると地中海食を食べた人たちは対照群と比べて脳卒中や心筋梗塞になるリスクが30%ほど低かったということです。他の研究では糖尿病、乳癌、大腸癌のリスクも低くなっていました。
オリーブオイル
オリーブオイルは1日に大さじ4杯の摂取が勧められています。大さじ4杯となると結構な量になりますが、私はドレッシングの代わりにオリーブオイルをサラダにかけて食べています。パンを食べる時もバターではなくオリーブオイルをつけています。食べ終わった後はお皿に残ったものをなめていますが、結構おいしいですよ(笑)。
ただし、オリーブオイルはエクストラバージンオイルじゃないとダメだそうです。
ナッツ類
アーモンド、クルミ等がお勧めです。私も夕方の診察時にお腹が空いた時にはコンビニで買ってきたアーモンド、クルミ、カシューナッツ、マカデミアナッツの4種類が入ったものを食べています。慣れるとこれで十分満足できるようになります。
炭水化物は茶色いものを
地中海食とは関係ありませんが、白米、砂糖は身体に悪いことが分かっています。でも白米、美味しいですよね。だから、全く食べるなとは言いませんが、できれば雑穀米、玄米を混ぜるとよいと思います。同じ炭水化物でも白いものはダメで、茶色いものはよいのです。ラーメン、うどん、パスタ、そうめんはダメですが、蕎麦はOKです。ただし、蕎麦だけだと栄養バランスが偏ってしまうので要注意です。天ぷらを頼んで、衣を外して食べることをお勧めします。
果物や野菜は本物を
果物や野菜は糖尿病や心筋梗塞、脳卒中を減らすというデータがあります。しかし、果物ジュースや野菜ジュースにはそのようなデータはありません。逆に果物ジュースは糖尿病のリスクを上げることが報告されています。本物の果物を食べると糖分を摂取することになりますが、同時に食物繊維も摂取するので血糖値が上がりにくいのです。ジュースにすると食物繊維が取り除かれてしまうので、血糖が上がりやすいのです。野菜ジュースも同じです。
果物や野菜は本物を食べなければ意味がありません。
参考文献:世界一シンプルで科学的に証明された究極の食事 著者 津川 友介 / 医者が教える食事術 著者 牧田 善二
つばさクリニック院長 石川 亨
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