ゴー!医見

つばさクリニックでは毎月院内広報誌「ゴー!つばさ」内の院長のエッセイです

安倍氏はかつての民主党政権を「悪夢」と言いました。しかし、安倍政権、菅政権の8年間は悪夢どころか地獄の8年間でした。この2つの政権に決定的に欠けていたのは知性、教養、品格です。そして致命的なのが学習能力の欠如です。

医療においてはエビデンスとエピソードの双方を尊重する事が重要です。政治も本質は同じだと思います。そして何より、マスコミ報道こそ、この観点が必要不可欠ですが、残念ながらそのような矜持は沖縄の珊瑚礁やジュゴン以上に絶滅危機に瀕しています。


エビデンスとは?


コロナ禍が始まって以来、よく耳にするようになった言葉です。証拠、あるいは根拠と言う意味です。「GoToトラベルで感染が拡大したエビデンスはない」とか、「ワクチンには重症化を予防するエビデンスが認められる」といった使い方をされています。新薬の承認も膨大な数のデータから得られたエビデンスに基づいて行われます。

エピソードとは?

コロナウィルスに感染して自宅療養していた人が亡くなってしまった、コロナワクチン接種後に亡くなってしまった、という個々の事例のことをエピソードと言います。テレビのトーク番組等でも聞きますよね、「こんなエピソードがあります」と。つまり、エピソードというのは多くの人に起こる話ではなく、稀に起こる珍しい出来事、と言う意味です。

説明責任

旧日本軍は真珠湾攻撃においては多大なる戦果を挙げましたが、少なからぬ犠牲者も出しました。しかし、戦争中であれば、家族が戦死した、隣人が負傷した、という個々のエピソードを重視する必要はないのは致し方ないと思います。ある程度の犠牲を覚悟しなければ作戦は遂行できません。指揮官は心を鬼にする必要があります。しかし、説明責任はあるはずです。「お宅の息子さんは亡くなられたが、日本国民を守るためにはそのような尊い犠牲を払わざるを得なかった。どうかご容赦願いたい」。これくらいの言葉は遺族に語るべきです。

医療で言えば、よかれと思って行った手術のせいで命を落としてしまった場合には過去の実績というエビデンスを示した上で、「最善は尽くしましたが、力及ばす最悪の結果になってしまいました。誠に申し訳ありません」と説明する必要があります。たとえ手術のせいで亡くなる人が0.1%だとしても、当事者にしてみれば100%なのです。個々のエピソードに真摯に向き合い、丹念に積み上げられた結果得られたものこそ本物のエビデンスだと思います。

菅氏はどうだったでしょうか?「諸外国に比べれば死者は極めて少ない」、「ワクチン接種が進んだお陰で感染拡大に歯止めがかかった」、などと自慢していますが、瀕死の重傷でも入院できずに自宅で亡くなった人々や、ワクチン接種の副反応で命を落とした人々やご遺族にも思いを馳せるべきです。残念ながらそのような姿勢のかけらも感じませんでした。

エビデンスとエピソード、来たるべき総選挙に際しては、これらの双方を尊重できる候補者に投票したいと思います。


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つばさクリニック院長 石川 亨


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