2021年6月 日本医師会長は辞任すべし！
日本医師会長の中川俊夫氏、蔓延防止措置期間中の4月12日に、自らが発起人となった自民党の自見英子議員の政治資金パーティーに参加していました。国民には「コロナを甘く見ないで下さい。家にいて下さい」と言っていたくせに、です。「万全の感染対策をしていた」などと言い訳をしていますが、見苦しいにもほどがあります。全国の医師会員の顔に泥を塗るに等しい行為です。
これだけでも辞任に値しますが、それよりも私が許せないのは自民党議員のお金集めの片棒を担いでいた、というより自ら先頭に立ってお金集めに勤しんでいたということです。このことにより、医師会と自民党はズブズブの関係、という印象を強く世間に植え付けたことで、完全にコロナ対策の失敗の共犯者とされてしまったのです。今後中川氏がどんな正論を述べようが、「お前が言うな！」です。全く説得力がありません。
ワクチン争奪戦
5月27日からいきいき広場、高浜豊田病院での集団接種、当院での個別接種が始まりました。いきいき広場での集団接種、私と当院看護師が毎週木曜日に参加しています。６月10日までは１回目接種の人だけですので、接種を受けられた人は全部で42人でした。2時間の枠が設けてあるのですが、非常にスムースに行われ、30分ほどで終了しました。6月17日からは前半が１回目の人、後半が２回目の人になりますが、何の問題もなく完了できそうです。
当院での個別接種も全く問題なく行えています。今のところ目立った副反応は見られず、アナフィラキシーショックも見られていません。今後、接種が進んでいくと色々なことが起こるかもしれませんが、順次報告して参ります。
たかがワクチン、されどワクチン？
スギ薬局の会長夫妻がワクチンの優先接種を強要した、と言うことがニュースになっていました。刈谷市では２つの医療機関が市の指定した日よりも前に一部の患者さんの先行予約を行った、ということが問題にされました。いずれも中日新聞の一面、トップニュースとなりました。スギ薬局の件は全国版のワイドショーでも極めて詳細に叩かれていました。みなさん、どうしちゃったのしょうか？
１日でも早くワクチン接種を済ませたい、皆さんの気持ちは分かります。でも、我先に、というものでもありません。有力者がコネを使って優先接種を求めるのは確かに感心しません。批判されて当然です。しかし、あれほどまでに執拗に叩く必要はありません。刈谷市の先行予約の件でも患者さんの気持ちを慮っての行動であり、ことさら責められるものではありません。刈谷医師会長が、「我々医師会員は日々の診療と並行してワクチン予約および接種を行っている。その結果ある程度の不公平は生じるかもしれないが、不利益を与えることはないので理解して欲しい」と、毅然たる態度で釈明すればカッコよかったのにねえ。
ワクチン一本足打法
高橋洋一という元内閣参与は「緊急事態宣言なんか屁みたいなもの」と言いました。自民党長老の細田議員は沖縄に対して「緊急事態宣言なんかに頼っていてはダメだ。何の意味もないのだから」と言いました。アベノマスクをはじめとして、やることなすこと全部ダメ、国会答弁も記者会見もボロボロ。ポンコツぶりが露わになってしまい、支持率回復にはワクチンに賭けるしかないのです。（もはや何をやっても支持率は回復しませんけどね）
東京五輪の緊急辞退宣言を！
残念ながらワクチンの効果が行き渡るには早くても年内一杯はかかるのではないでしょうか？ワクチンだけに頼るワクチン１本足打法ではコロナ禍を克服できません。しかし、とてつもなく強力な対策が一つだけ残されています。東京五輪中止です。開催に向けて費やしているエネルギーを全てコロナ対策に振り向けるのです。
今こそ東京五輪緊急辞退宣言を発出するべきです。何の意味もない、屁みたいな緊急事態宣言とは違って何万倍、何億倍も強力な対策だと思います。
「ゴー！医見：2021年6月 日本医師会長は辞任すべし！」をダウンロードする
つばさクリニック院長 石川 亨
