2021年5月 父からの贈り物に思いを馳せて
桜とセラピードッグ
桜の季節も終わり、我が家の桜の木にはさくらんぼがかわいく色づいています。
毎日鳥たちが友達と誘い合わせて枝から枝へ、さくらんぼをついばみにやってきますのでその賑やかさは庭のレストランさながらです。
鳥たちはごちそうさま、をするとみんな仲良く一斉に飛び立ってゆきます。
｢今日のお客さまは何羽かな？｣
そんな密かなバードウォッチングを楽しんでいる私と犬たちです。
本来ならば私達もお日さまの中へ飛び出せる最高の季節ですが、今年の春も晴れやかとはほど遠い残念な春となってしまいました。
今日も日々の感染状況を憂いている私ですがみなさまはお元気でお過ごしでしょうか。
最近、弟から来年予定している両親の13回忌の日程確認がありました。
両親が亡くなり、思うところがあってアニマルセラピーをはじめたのが2010年のことですので、月日の流れは本当にはやいものです。
コロナ禍では思うようにセラピー活動にも行けない日々が半ば当たり前になってしまったこの頃ですが、スタート時の熱い想いが懐かしくなって”セラピーの森から、～父からの贈り物～”（クリックすると記事を読むことができます）を読み返しました。
母が亡くなり、父自身もがんと闘う身でありながらひとりで在宅療養を貫いた父‥。
亡くなる１ヶ月前まで暮らしの全てを自分一人でやりくりしていた自慢の父です。
最期の１ヶ月間だけは私も久しぶりに父と枕を並べて大切な時間を共にすごしました。この貴重な時間は今でも私の宝物です。
｢ひとりはさみしい、誰とも話さずに一日終わることもあるんや｣
弱音など一度も吐いたことがなかった父がふともらした辛い心中を思い出すと今でも胸が張り裂けそうです。
このコロナ禍で愛しい家族との面会もままならず、慣れ親しんだ我が家からも遠く離れて寂しい想いを抱えていらっしゃる方が・・ご家族がどれだけおられるのかと思うと、とても切なくなります。
限られた時間の使い方を間違えてはいないか、と問いたくもなります。その心の隙間はとてもとても犬たちではうめられるものではありませんが、”今だからこそやるべきこと”があるのではないかと強く自問してしまう今日この頃の私です。
看護師・アニマルセラピスト 石川 薫
