2021年6月 ステイホームとペット
例年になく早い梅雨入りは、神様からのステイホームメッセージだと思えてなりません。
ワクチン狂奏曲は来る日も来る日もニュースを賑わして「ワクチン難民」などという言葉も生まれました。
今の状況を変えうる唯一の救世主であるワクチンは安心な暮らしへの大切なパスポート、一日も早くみなさんの元へ届きますように願ってやみません。
さて、コロナ禍でおうち時間が長くなり、大きなペットブームが到来しているようです。おうちで少しでも楽しい時間を過ごそうとペットを買い求める人が増えた反面、動物愛護センターへ持ち込まれるわんちゃん、ねこちゃんもとても増えているとのことです。どうしてこのような悲しいことが起こるのか‥人間の勝手な思いつきで安易にいのちを買えてしまう日本のペット業界にも問題がありそうですね。
縁あって家族に迎えた子は何物にも代えがたい大切な子のはずですが、
「思っていたより手がかかる」
「あっという間に子犬(子猫)でなくなってしまった」
「リモートが終わったら面倒見られない」
などという信じられない理由付けがまかり通っているのが現実です。
ペットと十何年も続く暮らしは確かに楽しいことばかりではありません。子育てと同じようにしつけの難しさや、健康や金銭的な問題、暮らしにもある程度の制約が加わります。けれど、動物たちはそれ以上に温かい時間や優しい気持ちを運んできてくれます。
動物と暮らすみなさんには分かって頂けると思いますが、動物たちには言葉を越えた伝えるチカラがあります。我々人間とは同一言語ではないけれど、仕草や視線、表情で彼らのあふれる想いが伝わります。嬉しい表情、甘える仕草、何かを訴える動作など、人以上に豊かな感性で寄り添ってくれます。私達飼い主は当たり前のように、言葉をかけ、ふれあい、そんな日々の積み重ねが愛情を育み家族の絆を揺るぎない物に成長させてくれます。
家族を迎えるとき、今一度、想像のつばさを広げて考えてみて下さい。
いかなる時も、この子が生を全うする日まで愛情を持ってそばにいてあげることができるかどうか、を。
看護師・アニマルセラピスト 石川 薫