遥かなる復興への道 from 岩手県大槌町

通り一遍のマスコミ報道では分からない、被災地の生の姿を復興への熱い思いを込めて伝えます

災害救助犬という名称は聞いた事があるかもしれませんが世間一般ではレスキュードッグ又はサーチドッグとも呼称されております。災害救助犬とは地震や豪雨災害等で土砂崩れが発生し家屋ごと流されたり、埋まったりした場合、助けを必要とする人を鋭い嗅覚によって迅速に発見し円滑な救助活動の助けになる様に訓練された犬なのだそうです。また、山歩きなどをしていて遭難し、行方不明になった人の捜索もするとの事で警察犬との違いは特定の人物の匂いを辿るのではなく空気中に漂う人の浮遊臭を辿るので、その人の持ち物等の原臭は必要なく捜索可能との事です。

災害救助犬は岩手県に5頭おり、その内の2頭が大槌町にいます。この2頭の災害救助犬を養育しているのは、日本赤十字社岩手県支部の防災ボランティアリーダーで災害救助犬指導手(ハンドラー)のM氏です。M氏も東日本大震災の津波で両親を流されてしまい、未だ発見されず、行方不明のままです。
本人は照れもあってかハッキリとは口には出しませんが、災害発生時、自分と同じ思いをする人を見たくない、減らしたいという気持ちから災害救助犬の育成に挑戦しだしたようです。

M氏は、震災前は関東で働いていたのですが、東日本大震災が発生し、実家も流され、当然、連絡も取れず、ニュース映像で変わり果てた大槌を見て、居ても立っても居られず岩手に向ったのだそうです。やっと大槌に辿り着いて避難所になっていた大槌高校に来た時に私と会ったという次第。それからM氏は行方不明になっていた両親の捜索を続けておりましたが見付けること叶わず、悩んだ末に関東の仕事を辞めて大槌に引き揚げて来て、立ち食い蕎麦屋を始めたのです。併せて災害救助犬の育成をする事を決め、自分は災害救助犬指導手(ハンドラー)を目指しました。そして苦労の末、ハンドラーとなりゴールデンレトリバーさんとタッグを組み、初めて災害救助犬の認定を受けたのです。それから1年も経たない平成28年、岩手県沿岸南部から上陸した台風10号での豪雨災害が発生しました。岩泉町では川が氾濫し、流された家屋も多く、高齢者施設内にも濁流が流れ込み入居者の男女9名が死亡、最終的に町全体で24人が死亡、1人が行方不明となりました。この時、M氏とゴールデンレトリバーさんが岩泉町での捜索活動に初出場したのです。

その後、ホワイトスイスシェパードさんも仲間に加わり、2頭とも日本赤十字社から赤十字のロゴ入りのハーネス用ワッペンが贈呈されました。災害救助犬が赤十字から認定されてハーネスに赤十字のロゴ入りのワッペンを付けるのは全国でも初めての事だそうで本当に驚きました。赤十字が認めた救助犬という事で、その筋では有名らしいです。(笑)それで赤十字を始め、大槌町、釜石市、大船渡市、山田町、岩泉町等と協定を結び、災害時には赤十字が警察や消防と連絡を取って捜索活動の調整をしてくれるのと、移動旅費が支給される事になったのだとか。これまでは完全ボランティアで交通費他は自腹で活動しておりましたので良かったし、活動の幅も広がる事でしょう。

特殊な捻くれ者の私がM氏には協力的なのには、それなりの理由があります。それは震災後、自称地元の有志を名乗る連中が被災者を助ける為だと宣い立ち上げたNPO団体が殆ど支援活動などせず、補助金で高級車を買ったり、勝手気儘に浪費しているのを見て腹立たしい思いをしていたからという事もあります。こういう連中は自宅が被災していないにも拘らず、被災した、家も流されたと嘘を吐き、募金、寄付金を募り、集めた募金、寄付金で盛岡市や仙台市まで出掛けて豪遊していたのも知っています。M氏はこういう連中と違い、口先だけではなく、実際に自腹で救助、救援活動等に参加しておりますので素直に凄いと思っております。しかも売名行為もしないし、募金や寄付金を募る事もしません。本当ならばM氏のような人がクラウドファンディング等で活動資金を集めて更に活動の幅を広げれば良いと思います。

岩手県大槌町 小川 孝幸


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