遥かなる復興への道 from 岩手県大槌町

通り一遍のマスコミ報道では分からない、被災地の生の姿を復興への熱い思いを込めて伝えます

友達漁師のOさんから「どうしても頼みたい事があるから、明日うちに来て欲しいと言われ」、いつになく真剣な物言いに「何だろう」と思いながら伺ったら、「戸に穴が開いてしまって直せるか見て欲しい」という事でした。戸というのはトイレの戸、Oさんも災害公営住宅に入居しているのですが、トイレはドアではなく、引き戸なんですよね。物自体は、失礼ながら、ちゃっちい物です。これは災害公営住宅の建設を受注したハウスメーカーが下請けに極力予算を掛けないで見栄えだけ良く作る様にと発注したものだと思います。

Oさんは最初、知り合いの大工に直せないか聞いたみたいですが、見にも来ないで無理と言われたそうです。新しい戸を買えとか、そんな安い仕事はできないと言われてムカついた様ですが、それを聞いて私も安い仕事とか言い、仕事を馬鹿にする様な大工に限って腕が悪いんだよなと思いました。(本物の大工さんには申し訳ないのですが、この辺の話ですので御容赦を)

まあ、そんなこんなで仕方なく私が戸を修理するにはしましたが、できるだけ安く直す為、材料は必要な物だけホームセンターで購入して頂き、似た様な木目模様のパネルを貼り替え、パッと見は立派?になりました。

「凄い、壊れてた所が分からない、器用だな」等々、褒められて私も嬉しい。心の中で「えっへん!もっと、もっと褒めたまえ」と言っていた私ですが、慢心している訳ではありませんよ。(笑)ということで喜んだOさんに「飯を食っていけ」と言われて御馳走になる事にしたんです!Oさんが作る飯は美味しいんですよ。漁師飯というか、マジで居酒屋でもできるんじゃないかと言われる事が多い人なので。そして出て来たのが自家製のウニの塩辛やOさんが朝に水揚げしてきた魚の汁物(この辺では、どんこと言うのですがエゾアイナメの事です)。

これらが食卓に並び、「はい小川さん一杯」とビールを勧められ、「いや今あまり飲まないんで、いやいや一杯だけ、本当に結構です」とかやっていたらOさんと奥さんと娘さんのスマホがジャンジャン、ジャンジャンと鳴り出した!「えっ!? 緊急地震速報??? 」と思ったらOさんが地震だ!と叫んだ次の瞬間、ドォーンと地鳴りがして大きく揺れ出した。Oさんは玄関に行きドアを開けっ放しにし、早く外さ出ろ、急げ急げ!と大声で叫んでいる。奥さんと娘さんは外に出て近所の独り暮らしの高齢者に声を掛けに行った。私は汁椀とウニの塩辛が入った小鉢を持ち零れない様に頑張っていた。(笑)そんな私をOさんは、「小川さん何すった! 早ぐ出ろでば!」と促す・・・
後ろ髪を引かれる思いで汁椀と小鉢をテーブルに置き、外に出て様子を見ていたら、「小川さん早ぐ家さ帰って家みろでば!ほら早ぐ早ぐ帰って帰って」と言われて帰りました・・・ 。

渋々?帰って家の中をみれば、まあ、多少は物が崩れたり、倒れたり散乱はしていました。その後、小さいながらも余震もありました。大きな被害が無かったから言える事ですが魚汁とウニの塩辛だけは食べたかった。(笑)これが3月20日(土)午後6時9分に宮城県沖を震源とした震度5弱(大槌)の地震が発生した瞬間の出来事でした。

本当に地震が多いですね。気象庁の発表では相変わらず東日本大震災の余震と報じておりますが、震源域が南に移動していると思うのですが本当に震災の余震なのか疑問です。大体、地震学者自身が言っているように地震が発生するメカニズムは何も解明されておらず、あくまで想像の域を出ていないんですよね。科学者は何かすると科学的根拠が無いから認めないという物言いが多いと思いますが、地震に関しては科学的根拠が無くても良いのが不思議。しかし、地震予知は出来なくても、地震波を捉えたら即座に個々人のスマホ等に緊急地震速報が送信されるのは僅か数秒とはいえ心の準備ができるでの素直に凄いと思います。

岩手県大槌町 小川 孝幸


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