遥かなる復興への道 from 岩手県大槌町

通り一遍のマスコミ報道では分からない、被災地の生の姿を復興への熱い思いを込めて伝えます

4月20日午後5時頃、私は運送仕事で青森県八戸市から仙台港に向かっていました。もう少しで岩手県宮古市という所で最大震度5強の地震が発生、直後に津波警報が発令されました。「直ぐに避難指示が出て、所々通行止めになるな」と思いながらアクセルを踏む足に力が入りました。

地震、そして火事

深夜まで大槌に滞在してから仙台港に行き、翌朝荷物を下ろして帰社、そのまま深夜便に行き、更に翌朝、大急ぎで帰社して午後に大槌に戻りました。すると、1時間もしないうちに小鎚地区で山林火災が発生したと防災無線で放送がありました。山奥の方なので市街地からは見えず、大した騒ぎにもなっていなかったのですが、約2時間後、別の地区で山林火災が発生したとの防災無線放送があったのです。玄関を出て右方向を見たら、小さな火と煙が少しだけ上がっているだけだったので、これは直ぐに消火されるだろうと思って家に入りました。少し仮眠を取ろうとしていたら、火災発生を知らせるサイレンが鳴り、外が騒がしくなって来ました。再度玄関を出て右方向を見たらまさかの大火!「うそっ!何でっ?」と思いながら見ていたら、折からの強風に煽られてどんどん燃え広がって行きました。

火災旋風

当日は強い西風だったので吉里吉里地区の方に燃え広がって行き、夜になったら火が渦を巻きながら空に上がっていく火災旋風がもろに見え、これはヤバいと思いました。翌日は風向きが東風に変わり、大槌市街方向に火の粉やチリチリと燃えている松の樹皮が飛んで来ました。市街地は自宅を再建できず、そのまま空地になっている所が多く、その空地には枯草が多いのです。これに引火したら大変なので、ご近所さん皆で如雨露やホースで水をかけて消火したりしていました。そして3日目は南東の風に変わり、大槌高校、小中一貫校大槌学園付近の山林にまで燃え広がり4日目、5日目となっても火の勢いは衰えず、更に内陸側から北方向に燃え広がっていて避難指示区域も拡大していった次第です。

ご近所さん達は高齢者ばかりなので夜明けまで見張り番をして、ご近所さん達が起き出してきたら少し仮眠を取って再度、消火活動の様子を見ているという1週間となりました。

自然の怖さと自然の恵み

消防、自衛隊による懸命の消火活動は殆ど歯が立ちませんでしたが、待望の恵みの雨によってようやく鎮火しました。自然の威力をまざまざと見せつけられた1週間でもありました。

岩手県大槌町 小川 孝幸


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