2026年5月 高血圧症の真実
4月下旬、2つの週刊誌が高血圧症のことを取り上げていました。世間では高血圧に関して色々と誤解があると思いますので、私なりの考えを述べます。
血圧140は高血圧?
日本高血圧学会は昨年、高血圧の基準を収縮期(以下、上)が130、拡張期(以下、下)が80とそれまでよりも厳しくしました。それまでは上が140,下が90でした。1980年代は上が180,下が100だったのですが、年々厳しくされて来ました。
どうしてでしょうか?学会の医師たちは「血圧を厳しく管理するほど死亡率が下がる」というデータを持ち出してきます。しかし、一方では「心筋梗塞は減るけど、死亡患者は増える」というデータもあります。基準値が下がれば「高血圧症」と診断される患者が増えます。また新しい薬が発売されるたびに「高血圧症患者」が増えることも事実です。そして、製薬会社は学会の大スポンサーです。
高齢者の交通事故の原因は?
近年高齢運転者による交通事故が話題になることが多いです。ほとんどの場合が「認知機能の低下」が原因とされていますが、本当にそうでしょうか?高血圧の薬や睡眠薬、精神安定剤等の影響で眠気を来した、頭がボーッとしたということが原因のケースも少なくない、という説もあります。
血圧を下げ過ぎると認知症になりやすい?
大いにあり得ると思います。ある医師が自分の血圧を24時間測定したところ、英語の文献を読んでいる時は上が200を越えた、ということです。つまり真剣に物事を考えたりして頭を使うと血圧が高くなるのです。逆に言えば、血圧が低いと頭の血の巡りが悪くなってきちんと考えられなくなるのです。私は、80歳以上の人の血圧が100くらいだと逆に心配になって血圧の薬を中止するか、弱くしたりします。血圧は低ければ低いほどいい、というのは大間違いです。
家庭血圧は測った方がいいの?
その必要はないと思います。「血圧が高いんじゃないか?」と思うだけで血圧が上がります。そして高い血圧の数値を見ると「うわっ!こんなに高い、大変だ!」と心配が募ります。こうなるといわゆる負のスパイラルです。測れば測るほど高くなってしまいます。それで病院に行って「クソ真面目」な医師に診てもらうと「朝晩2回血圧を測りなさい」と言われてしまって、益々ストレスが溜まってしまうのです。高血圧症と言われていない人は年に1回の健診時に測定するだけで十分、病院に通院している人は診察時に測ってもらうだけで十分です。それでもどうしても測りたい!という人は、週に1回だけ測ってください。
血圧の薬はやめられない?
そんなことはありません。ただし、自己判断で中止するのはダメです。医師の指導のもとで中止してください。当院では上の血圧が110以下になったら薬を弱くして、それでも110以下だったら中止にします。それでやめられた人がたくさんいます。「一生飲み続けろ!」という医師には近寄らない方が無難です。
基準値は聞き流すことが大切
血圧に限らず、血液検査の数値等の基準値はあくまでも目安です。異常と言われてもそんなに神経質になる必要はありません。まずは当院で相談してください。とってもゆる~くご指導申し上げます(笑)
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つばさクリニック院長 石川 亨








